IchigoJam 互換機

PCN による販売ではないものも、IchigoJam BASIC などが動作する互換機が提供されています。

IchigoJam U 販売時に ai.Jam と IchigoJam EX が商品として提供を開始していますが、

IchigoJam T でガーバーデータが公開された後、
個人から団体・企業・学校まで幅広く IchigoJam 互換機の制作・提供を行う状況になりました。

 

このページでは主にネット販売されているプリント基板+パーツの状態で、
日本全国から入手しやすい互換機を主に紹介しています。

 

互換機を配布・販売するためには IchigoJam ライセンスの購入または契約が必要です。

IchigoJam 公式サイト の下部にある お問い合わせ へお問い合わせ下さい。

 

よくあるご質問 | こどもパソオン IchigoJam (公式サイト)  - ライセンスについて 内に「IchigoJam互換機を配布・販売したい」

 

なお、現在 LPC1114 の入手が難しくなっているため、最近は新たな互換機の発表がなくなっています。
IchigoJam などの純正品は別のチップに切り替えて販売されています。


IchigoKamuy

IchigoKamuy - 公式サイト

PCに挿すだけ簡単IchigoJam、USBシリアル内蔵「IchigoKamuy」先行レビューとβファームウェア1.4b10 | 福野泰介の一日一創

IchigoKamuyはんだづけ一人称視点動画 - パソコンに直結して楽しむIchigoJamでエルチカロボを作るまで | 福野泰介の一日一創

 

syushu が制作。名称 IchigoKamuy は「イチゴカムイ」と読みます。

2019年7月にハードウェア事業の一製品として発表され、2019年11月公式サイトの公開と共に発売が開始されています。

2021年5月 に商標登録も行われています。出願者は 株式会社syushu です。

 

IchigoKamuy の特徴はキーボード・ビデオ出力端子の代わりに
USB-シリアル に使用されているチップ CP2102 を基板に持ち、USB 端子が付いている点です。

ここからパソコンと接続し、IchigoJam BASIC などのプログラミングができる前提で設計されています。
パソコンから IJUtilities などのシリアル経由で操作できるツールを使用します。

なお、キーボードとビデオ出力は別途専用端子が存在していて、使用するようにも可能です。
更に Seeed 提供の Grove コネクタが付属し、Grove モジュールが接続できるようになっています。

CPU 周りのピンソケットは IchigoJam と共通の端子で、幅も IchigoJam と共通のため、PanCake などを使用できます。
この共通端子から EEPROM も使用可能です。

ただし、サイズが小さいので、上に大きめの周辺機器を接続する場合は注意を要します。

パソコンに接続した後、電源を入れる事でシリアル認識します。電源を切ってある時は認識しません。

 

販売形態は組み立てキットと完成品が存在し、組み立てキットは IC 以外のパーツをはんだ付けする商品となっています。

組み立てキットの一部パーツ(抵抗・コンデンサ)は「IchigoKamuy のくみたて方」にテープで付けられています。
順番に外しながらはんだ付けしていくのが良いでしょう。基板が小さめなので、ホール間が近い事に注意を要します。

下は イチゴジャム レシピ 運営者が 2020年2月 に入手した組み立てキットと実際に組み立て後の完成品です。

 



SkyBerryJAM

こどもパソコンSkyBerryJAM | 栃木県立栃木工業高等学校

IchigoJam互換機 “SkyBerryJAM” でも動作するJavaScript環境 IchigoLatte、入門書籍がいよいよ5/9発売! | about yum

SkyBerryJAM produced by Students in Tochigi / jig intern 2017 will start this summer! | 福野泰介の一日一創

 

栃木工業高校が製作。名称は 栃木のいちご スカイベリー から付けられています。
JAM がすべて大文字なのにご注意下さい。

 

2019年 SkyBerryJAM が商標登録されました。 

経緯上、栃木工業高校関係者の個人名で 2 件商標登録され、どちらも学校で管理する体制となっています。

「SkyBerryJAMは栃木県立栃木工業高等学校が管理する登録商標であり、

 SkyBerryJAMは栃木県立栃木工業高等学校の商標です」が公式な表記と関係者よりご連絡いただいています。

 

2017年3月より一般販売を開始していて、主に栃木県の店舗・企業で販売されています。
(IchigoJam 販売店とは異なる SkyBerryJAM 独自の販売網になっています)

Web ショップで販売しているショップがあり、栃木県外の人でも入手しやすいです。

公式サイト の「一般販売事業者」一覧より Web ショップのところから注文できます。

 

比較的 IchigoJam T に近いですが、基板にいろいろ追加されています。IchigoJam R・S・T・U より一回り大きいです。

  • USB-シリアルモジュール(CP2102 チップ仕様モジュールが付属)
  • EEPROM ソケット(32k~512k。64k EEPROM 付属。1024k は本体ソケット上で使用不可
  • DC モータ駆動 IC-L293D+専用端子(MapleSyrup 同等 IC)
  • サーボモータ用端子(OUT5)
  • LED 5 個(IchigoJam 通常仕様+4 個追加。OUT1~4 で制御可能)
  • BTN・IN1・IN4・ISP・RESET ボタン
  • 圧電サウンダ(IchigoJam 実機は IchigoJam S より)

開発は 2015 年から行われています。IchigoJam U が発売された頃になります。

 

Facebook グループ IchigoJam-FAN 内 Kiyohide Yamanoi さん投稿

 

2018年に基板が変わっていて、(基板裏面に 2018A のコード名があります)
Web 上の組立マニュアルで記載されている 22 のジャンパ線はなくなっています。
代わりに 22 には 3 端子レギュレータの説明が入っています。

 

I2C P6 端子が左上ビデオ出力と圧電サウンダの間にあります。5 ピンの端子は IchigoJam S・T の CN5 に合わせてあります。

初期の基板は左から 5V SDA SDL 3.3V GND の並びですが、

2018 年の基板 (2018A) では GND 3.3V SDL SDA 5V と逆になっています。  

 

基板上は LPC1114FN28 向けもありますが、(公式サイトには LPC1114FN28 を使用した基板画像もあります)

一般向け商品では LPC1114FDH28 は半田付け済みのため、LPC1114FN28 部分は空いたままになります。
IchigoJam T のようにピン配置ラベル付 IC ソケットを挿しても良いでしょう。

 

3.3V および電源部の microUSB 端子は USB-シリアルモジュールが提供するため、
3 端子レギュレータおよび microUSB 端子のパーツが基板表面に付いていない状態で正常です。

USB-シリアルモジュールを半田付けしない場合はこれらのパーツを半田付けする必要があります。

パーツは IchigoJam S・T で採用されているパーツと同じパーツが使用できます。
3 端子レギュレータは平な方を手前に見て GND IN OUT(3.3V) が使えますが、
GND 端子がもう一つあり、IN GND OUT が三角の状態で存在し、違う並びでも使用できるようになっています。

AC アダプタなどからの電源供給は USB-シリアルモジュールの microUSB 端子に接続して使用できますが、

パソコンとの接続は microUSB 端子を接続するだけでパソコンから電源供給しつつプログラムなどの送受もできます。

 

組立キットの場合、ピンヘッダ以外にピンソケットも長い状態で入っています。切断が必要です。

別途 14 ピン(と 5 ピン)のピンソケットを入手しておくと無難かもしれません。

 

組み立てキットはパーツが多く、運営者が半田付け作業を行い約 1.5 時間要しました。
ショップにより完成品なども扱っています。

 

下画像は運営者が 2018年7月 に入手した組立キットです。基板は 2018A です。
サーボ関連の使用経験がないので基板左の P7~P9 は半田付けしていません。

 



aitendo 公開 IchigoJam 互換機 (ai.Jam シリーズ)

aitendo が IchigoJam 互換機を 2015年8月 から順次公開していました。

jig.jp および PCN から許可済みによる「IchigoJam 互換機」として、はじめて公開されています。
名称は ai.Jam をベースに展開しています。

 

当初 CPU は IchigoJam BASIC を入れていましたが、現在はファームウェアなしで販売されています。

そのため使用するためにはファームウェアをダウンロードし、LPC1114 へ書き込む必要があります。

 

初代の ai.Jam は安定動作の考慮から 10μF 仕様のコンデンサを採用しています。

これは後に IchigoJam T で採用されています。

また、aitendo は IchigoJam T の基板の設計などにも携わっています。
このように ai.Jam シリーズは IchigoJam に影響を与えました。

 

IchigoJam | aitendo

 

シリーズ展開は次のとおりです。
本体以外にも「LPC1114FN28書き込みキット」など関連した周辺機器が作成されました。

  • ai.Jam (第 1 弾) - IchigoJam U に近いが、独自部品で構成
  • ai.shuttle.jam (第 2 弾) - スペールシャトルと発射台形状
  • ai.jam.pi (第 3 弾) - Raspberry Pi 形状に合わせた基板
  • 2線式breboジャム (第 4 弾) - ブレッドボードに各パーツを乗せる
  • ai.mini.jam (第 5 弾) - ミニ基板の互換機
  • ai.bat.Jam (第 6 弾) - ai.mini.jam+乾電池部
  • ai.robot.Jam (第 8 弾) - ロボット型の互換機。ai.shuttle.jam の発射台を使用可能。
  • ai.jam.sandwich シリーズ - いくつかのモジュールがあり、重ねて使用できる
  • ウルトラスモールai.jam - LPC1114FDH28 を用いた最小構成。

下記写真は運営者が実際に 2015年8月 aitendo から入手して組み立てています。

完成した画像のピンソケット、足、ピン配置などのラベルは独自に用意しているもので、製品には付属していません。

第7弾の ai.cafe は PanCake 互換機になります。PanCake で紹介しています。

 

a.Jam (第 1 弾) 左は組み立てキット、右は基板のみ。

上記の赤基板以外に発売当初は緑基板も存在しています。

  

ai.shuttle.jam (第2弾)、シャトル部と発射台部で分離。
上記は発売当初の緑基板で、現在は赤基板になっています。

 


ai.Jam-T シリーズ(IchigoJam T 互換機)

IchigoJam T 公開とほぼ同時(2016年夏)に ai.Jam-T シリーズが公開されました。

 

LPC1114FDH28 にファームウェアが入っていませんので、使用するためにはファームウェアの書き込みが必要です。

ファームウェアを入れていない分ライセンスも含まれないため、その分価格が安くなっています。

 


 

IchigoJam T は aitendo 共同開発という事もあり、

面実装版(ai.Jam SMD)ではない基板は ai.Jam ロゴと基板の色以外は IchigoJam T と全く同じ基板です。

 

「こどもパソコン「ai.Jam-T」キット [K-JAM-TP]」は IchigoJam T ハーフキット相当になります。

ただしダクトスイッチ(本体ボタン)など、IchigoJam T とは異なるパーツを採用しているところがあります。

発売当初はキットが基板と「ベーシック部品ボックス」で分けて販売されていました。

様々な色のパーツがある「オーマイJam」もありました。「ベーシック部品ボックス」と「オーマイJam」は現在売れ切れています。 

 

ai.Jam-T キット [K-JAM-TP]

IC実装済み IchigoJam-T 互換基板


 「こどもパソコン「ai.Jam-T」キット [K-JAM-TS]」で表記されている面実装版(基板表記の ai.Jam SMD)は
LPC1114FDH28 も半田付けされていません。半田付けの難易度が高いです。
(LPC1114FN28 代用で少しやさしくなりますが、それでもコンデンサ半田付けの難易度は高いです)

 

ai.Jam-T キット [K-JAM-TS] (面実装版)

抵抗・コンデンサは面実装、LPC1114FDH28も半田付けが必要

こどもパソコン「ai.Jam-T」キット [K-JAM-TS] | aitendo 

「ai.Jam-T キット」2 種類は商品名が同じため、

型番と説明・画像で判断を要します。

特に [K-JAM-TP] を入手するつもりで [K-JAM-TS](面実装版) を

誤って入手すると半田付け困難の恐れがあります。ご注意下さい。



その他 IchigoJam・IchigoJam 互換機

IchigoJam・IchigoJam 互換機は他にもいくつか公開されています。

ここではプリント基板状態で一般公開されているうち、運営者が確認している一覧です。

「互換機」扱いになるか微妙なケースもあるため、
開発者 福野 さんや PCN 代表 松田さん(=yum さん)が公開している IchigoJam も含めてここに一覧してあります。

一般公開前、または現在提供されていないものが含まれています。(限定など)

IchigoJam U ショップのふうせん版
組み立て前のパーツ。一部パーツが異なる

IchigoJam U ショップのふうせん版
組み立てた状態